2014年10月17日金曜日

クマラスワミ報告について思う所。

クマラスワミ報告、政府が撤回要請…吉田証言の部分 : 特集 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
 いわゆる従軍慰安婦問題をめぐり、1996年に国連人権委員会(当時)が採択した「クマラスワミ報告」について、日本政府が、特別報告者のスリランカ人法律家ラディカ・クマラスワミ氏に対し、内容の一部撤回を申し入れたことが15日、明らかになった。

何処かにあった報告書の和訳を読んでみた。


の前に…。読売新聞の朝刊の見出しが気になった。

クマラスワミ報告 撤回要請
慰安婦問題 政府、吉田証言の部分 本人は拒否

まぁこんな感じ。

いちいち気にする事では無いけれど、最初に目をやった瞬間、読みようによっては報告書の全てを撤回するように求めているのかと思ってしまい、余計な誤解を招く。

こういう書き方は個人的には×。撤回要請の前に「一部」とちゃんと付けるべきだ。


で、気になって報告書の和訳をさらっと読んでみたが、早い話が
日本は大戦中の性奴隷な扱いを受けた人達に、責任を取って下さいって事。
うん、なるほど。

ただこれ、報告書の時で50年、今現在では69年も経っているから、地道に調査して、本人の証言以外の証言やら証拠が無いと、なかなか補償までは行かないだろうなー(´・ω・`)
てこと。

ついでに言えば、当時はそこまでの補償は求められていなかった実情もある。
どうしたって何を今更感が強くなってしまう。

もう一つ。書籍からの引用が多い事。
自身が調査した内容は半分以下な気がする。勿論、吉田清治氏の著書からのものもあり、これは虚言だったことが今では明らかになっている。

これらが事実であるとすれば、責任を取れというのも分かるが、説得力が無いかなぁというのが素直な感想だ。実際、落第点だとか言われているし…ね。
もっとちゃんと調べて欲しかったな。

女性の人権を守るという観点から言えば、報告者がこれらを撤回したくないのも分かる。
でもまぁそうすると、自分が嘘に踊らされていた事を認めることにもなる。そうそう易々と撤回なんぞできっこない。



で…。
個人的にはこの報告書が元で慰安婦問題が現在の状態になったとは考えにくい。
この報告書は、どちらかというと当時の世間に煽られた末に生まれたものに過ぎないと思うからだ。

何故か誰も当時の世相まで反映したことは言っていないけれど、当時の日本はかなり左寄りだった。

自民と社会という二大政党が幅を効かせていた中で、消費税導入や、リクルートや佐川急便の事件等々で、 自民が下野してしまうまでになった時期だ。
インターネットもまだだし、得られる情報は新聞やTVのニュースや書籍だけで、人々はそれに頼り切っていたというか、頼らざるを得なかった。

そんなメディアリテラシーの低い日本では、朝日(これは多分、珊瑚事件からの巻き返しの為のネタの1つだったと思う)の報道から始まった慰安婦のことも、大抵はすんなり受け入れられていた筈だ。
勿論反論する人やメディアもあっただろうが、左寄りな世相もあり、その声はどうしても小さかった。
だからどうして政府が素直に認めず謝罪しないのか理解に苦しむ人が多かったと思う。自分もそうだったからね。

しかし、ネットが普及して人々が様々な情報が得られるようになると、状況が変わってきた。
マスゴミは真実を完全には語らないモノだと言う事も。
インターネットという別のメディアが台頭してきたことで、ようやく日本人も多少なりともマスメディアに対する見方を身につけられるようになった気がする。

政府が当時に出した反論文書を直ぐに撤回した件に至っても、どちらかというと左傾化している世相に加えて、波風建てたくない政府の意向もあったように思う。

そういう風潮が日本を駄目にしている事に、多分3.11でようやく気が付いたのかもしれない。

で、今に至る…と。

これからどうなっていくんだろうね…と。兎に角、誤解を受けている部分は訂正していかないと行けない。

その一環の1つが、クマラスワミ報告の一部撤回要求なわけで。直談判して拒否するなら国連の人権理事会に働きかけるなり、ロビー活動しまくるなりしないとダメだと思う。

そして、自分達も踊らされていた事を認識すべきだと。


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